炎を呼ぶ!オーストラリアの植物たち

前回に引き続き、「なぜオーストラリアはこんなに火事が多いのか」シリーズ

第2弾『植物編』です!


前回、オーストラリアの乾燥気候について書きましたが、

実は、植物学界では「オーストラリアの植物たちが火事をよび起こしている」と考えられています。


なんと、恐ろしい植物…!

でもこれは栄養に乏しく、やせたオーストラリアの土地で生き延びるための、

植物たちの作戦です。

炎を呼ぶ植物として、最も有名なのが『ユーカリ』です。

上の画像の様に、ユーカリは樹皮がベロベロむけやすく、地面に落ちています。

この樹皮を含め、ユーカリは全身にたくさんの油を含んでいて、めちゃ燃えます!


ユーカリは次世代の成長促進に山火事を利用していて、山火事が起こった後ぶわっといっきに新芽が芽吹き、一面を覆います!(画像なくてすいません)

若いユーカリの芽↑

ユーカリの種には、ちょっとした仕掛けがあるものが多くて、煙や高温にさらされないと、

種が入ったカラが開かなかったり、発芽しにくかったりします。


そして山火事が起こると、森が燃えてできた炭の栄養とたくさんの太陽光を浴びて、

若いユーカリの芽は一気に成長するというわけです。


ユーカリだけでなく、オーストラリアの植物のほとんどが山火事に適応しています。

ユーカリほどガッツリ適応している種ばかりではありませんが。

タスマニア大学、ユニリザーブの森と景色↑

しかし、この様なオーストラリアの植物の生態は、地球の歴史から見るとけっこう最近のこと。


『大陸移動説』ってなんとなーく知ってる方多いと思うんですが、

2億年くらい前、オーストラリアは『パンゲア』という超大陸の一部で、

南極大陸とか南米と繋がっておりました…。

そして、その頃は雨が今よりたくさん降っていて、

雨林(うりん)という深い森におおわれとったそうです…。


私がいたタスマニアとケアンズは、そーんな地球の歴史を証明する、

貴重な☆雨林☆が残っているところです!!

☆タスマニアの寒冷雨林☆

寒冷雨林って、あんま聞かないですよね。

寒い場所にある、雨林ってことで、熱帯じゃない雨林なんです!珍しいのです!

世界自然&文化遺産に登録されている、大切な森です♪

(UNESCO, タスマニア原生地域、Tasmanian Wilderness)


雨林の木は炎がすごく苦手で、全く適応していません。

もし山火事が起こってしまうと、ながーい年数がたたないと戻ってこれず、ひょっとしたら2度と戻らないケースも…

5年くらい前?に、タスマニアで大きな山火事があった時には、こっちのほうもかなりダメージあったそうです…

地球の宝が…失われていく~涙( ;∀;)


そして火事の後には、山火事にうまく適応しているユーカリなどが取って代わることが多いのです。

☆ケープ・トリビュレーションの雨林☆

こちらはケアンズの北にある、『熱帯雨林とサンゴ礁が出会う場所』ケープ・トリビュレーションという場所の熱帯雨林です。(すいません、こんな画像(;^_^A)


せっかくすごく良いとこ来たのに、日帰りで帰ってしまった…

ここも地球の歴史を証拠を残す貴重な熱帯雨林なので、世界自然遺産に登録されています。

(UNESCO、クインズランドの湿潤熱帯地域、Wet Tropics of Queensland (1988))


というわけで、

炎を呼ぶオーストラリアのたくましい植物たちと

湿潤な森に細々と生き残る、雨林の木々のお話でした!


オーストラリアの大学で植物学を専攻すると、こんな感じのことを習います~!


オーストラリアの本当にきれいな場所は、メジャーな観光スポットの外にあるので、現地に行く機会があればエコツアーに参加して、本当の大自然を見に行ってくださいね♪

あそう

グリーン&ブルーネットワーク (Green & Blue Network Japan)

私たちは、生まれたての自然・環境教育NPOです。 グリーン&ブルーネットワークは、すべての世代が楽しく学び、未来のために考え、そして行動する。そんな自然・環境教育を届けるために活動しています。 エコツアー、自然教室、ボードゲーム、エコクラフトのワークショップなどを通して、楽しく学ぶ機会を提供します。